懐かしの「サンリバー」
「サンリバー」は同じ町に住む祖母が営んでいた喫茶店兼スナックです。高齢になり今は営業していません。
小さい頃祖母のところへ遊びに行くと、ホットサンドやコーラフロートなど普段食べられないお洒落なものを出してくれて嬉しかった事を覚えています。
最初に考えたのが、そんな思い出深いサンリバーの再建でした。
単純にコーヒーと思い出のホットサンドでカフェをする事を考えましたが、それだけでは遠方から集客をする力は足りない。
そして、Iターンや移住をした人が営むコーヒーメインの既存店がある。
個性が足りない(差別化できない)し、競合する事はしたくなかった。
私が思う甘っちょろい地域貢献の形は共存する事でしたから。
一時は打開策が思い付かずこの計画は形に出来ないかとも思いました。
そこでヒントになったのが「無いものを嘆くより、与えられたものをどう使うか」という考え方でした。
与えられたモノをどう使うか
お客さんはもちろん、行政も含めた色々な人達を巻き込んでしまおうと思いました。
理念
起業をするうえで、
好きな地元に戻って起業するからには地域に貢献したいし、現状に対する問題意識がIターンする一つのきっかけであったことと、
3600人程の町で起業し、さらには地域を活性化させるには集客力は必須であることから、
地域に貢献する事業であること。
町外からも集客できる魅力があること。
が絶対条件でした。
そしてもう一つ、
「競争社会ではなく、共存社会を作る」ということを考えました。それが結果として、地方創生の一つの答えになればとも思っています。
現代社会(特に都会)は競争し成長していく社会でありそれが成立していると思っています。ですが、極端に小さなコミュニティーでは、必ずしも成長には繋がらないと思います。
自治体、個人の個々での取り組みは素晴らしいと思いますが、全体での取り組みが弱い印象を受けました。上手く組み合わせればもっと強いコンテンツになるのに勿体ないとも感じていました。
例えば、一軒の素敵なカフェがあるという理由で片道2時間以上かけて訪れますか?雑貨屋さんでも、なんならお祭りなどのイベントでも。
でもこれが、カフェがあって体験型のイベントがあって雰囲気野ある民宿があるとなるとグンと可能性が出てきます!
分かりきった事なのに、地方創生、町おこしっていうと行政主体のイベント・地元で頑張る自営業など単発であることが多いように思うんです。
さぁ理想の形を作れるのでしょうか!?
続・ドラクエ
そんなドラクエワールドで戦う勇者や戦士たちは地元にもいました。
梼原に住み続ける地元ピーポー&Iターン・Uターンした人たち。
不便な点も多い梼原町で、伝統や家業を守ったり新たな風を起こしたりしています。
親と同じ大工になった友達。進学で地元を離れたが戻り町政に携わっている人。地元でもない梼原に移住をしカフェを出した人。外国から移り住み和紙の工房兼民宿を営む人。Iターンして町内唯一のパン屋さんをしてる人。などなど
形は違えど間違いなく地元を支える逞しい人達。
田舎は不便な分、人間力が重要なんだと思います。
ドラクエでいうと大都市であれば、強い武器や装備品が売っているでしょう。でも、村にはそんな物はありません。生き抜く為には本人のレベルアップ、心強いパーティーが不可欠になってきます。
なるほど。後輩は関西のノリで深い事を言っていた(笑)
再発見!
年に1~2回帰省するとそこには、ゆっくりではありますが変わって行く町と、いい意味で変わらない人達の姿がありました。
梼原町ってね、変なんです!
90%が山でもはや町というより山そのもの(笑)
それなのに先進的な取り組みをしてるんです。。
一部をあげると。
・風力発電を導入し、売電したお金を町内で設置される太陽光発電の補助金にあてて普及率をあげたり、小水力発電なんかも初めてちゃった。
・間伐材(木材として売れず、不要になる木材)を再利用して作られる、薪に代わるペレット燃料。それを使うペレットストーブ購入をサポート。すこぶるエコ。
・町内全戸に光回線が通ってる。じいちゃんばあちゃんの家にも例外なく。
・新国立競技場を設計した隈研吾氏が設計した、お洒落な建物がいくつもある。ホテル、役場、図書館などなど。
・子育て支援も国より遥かに進んでる。
変な町だ、ここ。いい意味で(笑)
静かでも勢いと力のある町それが外から見た梼原町でした。